1.プリフラックス
1.1プリフラックスとは
プリフラックスとは、PCB表面、半田自体の酸化物または表面のその他の汚染を除去し、半田付けされた金属表面を湿潤させるとともに、半田付け時に金属表面を再酸化から保護し、溶融半田の表面張力を減少させ、半田の拡張と流動を促進する化学物質を指す。
1.2プリフラックスの作用
熱伝達を補助し、酸化物を除去し、表面張力を低下させ、再酸化を防止する。
1.3プリフラックスの組成
1.3.1活性化剤
作用:溶接表面を清潔にし、表面張力を下げる作用。
1.3.2拡散剤
作用:錫ペーストの粘度と印刷性能を調節して、脱尾、癒着などの現象を防止する。
1.3.3保護剤
作用:錫ペーストの接着性を高め、溶接点の再酸化を防止する。
1.3.4溶媒(通常はケトン類、アルコール類及びエステル類の混合物)
作用:錫膏の攪拌中に均一に調節する作用を果たす。
図1 pcb実装
2.プリフラックス残留物の種類及び由来
2.1プリフラックス残留物の定義
プリフラックス残留物とは、溶接後の不揮発成分、残留活性成分及び生成される金属塩類を指す。
2.2プリフラックス残留物の種類
PCB溶接後の残留物の発生は溶接過程で使用されるフラックスタイプと密接な関係があり、使用されるプリフラックスタイプから見て一般的な残留物は主に以下の2種類に分類される。
2.2.1ロジンプリフラックスの残留物
主に重合ロジン、未反応の活性化剤、溶接時のロジンと溶融した半田との間で反応して生成する塩などからなる。
これらの物質は吸湿後に体積が膨張し、一部の物質は水と水和反応を起こした。これらの白色または褐色を呈する残留物はPCBに吸着し、異常除去が困難である。
2.2.2有機酸プリフラックス残留物
現在広く使用されている無洗浄プリフラックスのように、主に多種の有機酸からなり、高温でハロゲンイオンを生成できる化合物も含まれている。
このような残留物の最も除去が難しいのは、有機酸と半田から形成された塩類であり、吸着性が強く溶解性が悪い。